医原病

C型肝炎(およびB型肝炎)の感染原因の多くは、かつてはごく一般的な医療行為でしたから、C型肝炎(およびB型肝炎)は典型的な「医源病」(医療によって起きた疾病)だといえます。本人に過失がある訳ではなく、医療行政によって惹起された病気であるということで、C型肝炎感染患者による集団訴訟があったことはまだ記憶に新しいことだと思います。

薬害訴訟

薬害エイズもそうですが、血液製剤が感染原因であることが判明してもなお、血液製剤を認可し続けた旧厚生省に対し、C型肝炎患者が集団で国を相手取り訴訟を起こしたものです。

薬害エイズの時に弁明として用いられた「当時の医学水準としては原因不明だったことを、その後に判明した医療水準で裁くことはできない」という論理で国は責任を回避してきましたが、国の過ちを無過失の患者に責任転嫁することは正義に悖るといわざるを得ません。

しかも、薬害エイズの問題が騒がれ、血液製剤が原因の疾患が明らかになっている時点でもなお厚生省は、稀であるがその危険性を謳うことによって患者の自己責任だと言い募り、血液製剤の流通自体は放置してきました。そのことに対して争われてきたのが薬害訴訟です。

国が、患者団体と和解したのが昨年(2008年)1月です。

ただし和解ですから、司法判断が下り国(旧厚生省)が非を認めたのではなく、長い間放置してきたこと、患者救済という観点からの手打ちで、本質からすれば責任の所在は不明確なままだといわざるを得ません。

政権が変わり、民主党は今国会で「肝炎対策基本法案」を議員立法で提出すると報じられたのはついこの間(2009年11月)のことです。議員立法なのは、野党である自民党、公明党をも巻き込んで、という思惑からだと思われます。

結果的にはそれで良いのかもしれませんが、いろいろな意味で隠し立てをしてきた厚生省の無責任体質は何も改善されていない、といわざるを得ません。


 

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